お久しぶりです6年ぶりのブログです。
誰も見てないと思うので、気ままに思ってること書きまーす。
昔のブログの内容見てると幼すぎて闇過ぎて恥ずかしい。笑
今日は気になる映画が上映しているということで
横浜のミニシアター「ジャック&ベティ」へ
今日見たのは『サウルの息子』と『ヤクザと憲法』
どちらの映画も内容的にはなかなかのヘビーさ
ジャック&ベティのHP
http://www.jackandbetty.net
※以下からネタバレ注意
『サウルの息子』
最後まで人間の尊厳を貫き通そうとしたサウル
ホロコーストの疑似体験
始まりからすぐに映画の世界観に吸い込まれていくような
サウルが移送されてきた人々を収容所へ誘導するところから物語は始まります。
サウルはゾンダーコマンド(ナチスが選抜した、同胞であるユダヤ人の死体処理に従事する特殊部隊)として収容所で強制労働させられていました。いつ自分も殺されるかわからない状況で
ユダヤ人たちに服を脱がせガス室へ誘導し、その死体を片づける
正常な人間が行えるような労働ではない異様な光景
その死体たちはもはや人間ではなく「モノ」を扱う様にゾンダーコマンドたちは作業を行う
感情を失くしてしまわなければ、息を吸うことすら出来ないのかもしれない
戦争も経験したことのない平成生まれの私たちにとって想像しても想像しきれない
苦痛と一言で表してはいけない様な
ガス室から死体を片づけている際に、一人の少年がまだ辛うじて生きているのが発見される
この少年はナチス軍の看守によってすぐに口を塞がれ息を引き取り解剖される対象になる(以前にも少女が生きていたことがあったらしい)
サウルはこの少年を自分の息子だと思い、解剖を行うドクターに自分の息子だから殺さないでくれと頼むが、ドクターは「それはできない」と断る
ドクターは以前はそちら側の人間だったと発言。(恐らく、このドクターもユダヤ人?)
哀れみからか、解剖前に5分間、時間をあげるから夜にここに来るようにと
サウルは自分の息子を埋葬するためにラビを探す
(ユダヤ教は死者復活の教義を持つため火葬が禁じられているらしい)
その為ユダヤ教として正式にラビに祈ってもらい埋葬する必要があった
同じゾンダーコマンドにレビがいるとの噂を耳にしたサウルは必死にその人物を探す為、
何の躊躇もなく他の部隊へ
そこには死への恐怖も感じられず、何の迷いもなく
そして、ゾンダーコマンドのレビにサウルは息子を埋葬してほしいと頼むがこのレビは拒否する
サウルがブチ切れ、もめたところ看守に見つかって、このレビはドイツ語を話すことが出来なかった為殺される
おいおい、勘弁してくれよって心の中で思ってしまいました。
このレビからしたら、わけのわかんない奴がきて息子を埋葬してくれと言われ、
そんなことしてるところを見つかったら当然ただでは済まないわけで拒否したら、
ブチ切れられて、看守に見つかって殺されるって…
こんな感じでサウルはレビを探し2人目も何やかんやで殺される
サウルが収容所内を奔走している中、仲間のゾンダーコマンド達の間では収容所脱走計画が進められている
3人目のレビを見つけ、漸く埋葬できるかと思いきや、収容所脱走計画が実行された為、埋葬どころではなくなり
息子の遺体を担ぎ、レビと他のゾンダーコマンド達と脱走する
ただひたすら走り、しばらくしたところでサウルは穴を掘り始めレビに祈るように催促する
遠くから犬の鳴き声が聞こえ追手がすぐそばまで来ていることを感づいたレビは祈りを中断し、
他のゾンダーコマンド達の後を追い川を泳ぎ渡ろうとする
レビがいないと埋葬できない為、サウルも後を追い、息子を担いで川を渡ろうとするが
息子の遺体は川に流されてしまう
サウルはもはや生きる気力を失いかけ、川で溺れかけたところをレビに助けらる
他のゾンダーコマンド達と共にサウルとレビも走り続け
途中に見つけた倉庫のようなボロボロの小屋で少し休むことに
ドアの外からこちらを覗く人影が…
最初は「ああ、見つかった…終わりだ…」と思ったけれど
少年がひょっこり顔をだしてきた
サウルの顔に笑みがこぼれる
「え!?幻覚!?サウルの息子!?」と思ったけれど
その少年は走って去ろうとしているところナチス軍の追手と遭遇し
この少年は無関係の為解放され、森の中へ走り去るところ銃声が響きエンディング
エンディングロールが終わってからも暫く誰かの話し声が聞こえることはなく、係員の人の誘導の声だけが響いていた
見終わった感想としては重過ぎる…
普段見る映画の9割はハッピーエンドの私にとってはとても重過ぎる内容…
高校時代にヴィクトール・E・フランクルの「夜と霧」を読んだ時もなかなか後を引きづるもので
2年前くらいに軽い気持ちで見た「縞模様のパジャマの少年」も言葉を失うものだった
知らなければならない過去であることは理解しているけれども、やっぱり目を背けたくなってしまう内容
良いところだけを知り、良いところだけを見、良いことだけを夢見られた時代は終わったのかもしれない
選挙権年齢が18歳に引き下げられ、若い未成年の人たちが政治について考え行動に移している姿を見ていると
自分が18歳だった頃を思い出し、とても幼く何も考えられていない人間だったと感じてしまう(今もあまり考えられていないけど)
繰り返してはいけない過ちを繰り返そうとしている大人たちは、いったいこれから生まれてくる子供たちに何を与えることができるのだろうか
ゆとり世代として無知で無能に作られた私たちは与えられた情報を与えられた通りに鵜呑みすることしか出来ないのだろうか
そこに疑問をいだく人間がいったいどれだけ存在するのか
もういい夢だけを見る時間は終わったように感じると共に自分の無力さを感じる
今いる小さな世界で1日を生きることが精一杯でもっと大きな世界で起こっている現実に気づくことにはきっと時が遅すぎたと嘆くことしか出来ない